播州織

ルーツは200年前の京都西陣の技術

「播州織」は200年以上の歴史を持つ、多可・西脇を代表する地場産業です。町は播州織の生産とともに発展してきました。江戸時代寛政4年(1792年)、一人の匠が京都の西陣から織物の技術を導入したのがルーツと言われています。明治時代後期には家内工業が工場生産へと切り替わり生産力が向上、基幹産業として大きな発展を遂げました。その後、播州織の消費が都市部を中心に拡大したことにより、その名は全国に伝播していったのです。

水資源に恵まれた地域だからこそできる、高品質な製品

兵庫県の中央に位置する多可・西脇は、域内に加古川・杉原川・野間川が流れる水資源に恵まれた地域です。実はココが染め織物にとって重要なポイントとなります。糸の先染め、生地織りなどのプロセスにおいては、「水」が重要な要素となるからです。染色の行程では大量の水が必要となりますが、豊富な水資源がそれを可能としています。

  多可町は播州織で発展してきた地域であるため、「のこぎり屋根」を備えた工場も確認できます。この屋根には、広い面積に均等に採光できるという利点があります。

  また、多可町は1300年もの歴史を有する「杉原紙」、酒米の最高峰とされる「山田錦」は豊富な水資源から生まれた、地域を代表する産物です。


チェック柄

ストライプやチェック柄の約8割を播州地方で生産

播州織は、先染糸を使い、様々な模様に織り上げていくテキスタイル(綿織物)です。縦糸と横糸を組み合わせ、丹精込めて織り上げていきます。技術者よって様々な表情に変化するのも魅力の一つとされています。

最大の特徴は、先染めの糸を使っているところ。これにより深みのある色柄を持つ、豊かな風合いの織物が出来上がります。

  また、色落ちがしにくいのも大きな利点とされており、ストライプ柄やギンガムチェックなどが有名です。シャツやハンカチ、ストールなど現在、国内で生産される先染め織物の約8割が播州地方で生産されていると言われています。

播州織製造工場